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ケアマネのつぶやき

ケアマネジメントと地域(3)

―その3―

ケアマネジメントと地域という問題に関して、特に居宅介護支援事業所のケアマネジャーが困難を感じている五番目の問題について考えてみたい。

上記で述べた地域での不足する資源を作り出し、繋げていくという地域での活動は主に地域包括支援センターや主任介護支援専門員、さらには生活支援コーディネーターの仕事とされている。

地域包括支援センターは地域ケア会議を開催し、具体的ケースの検討を踏まえて、地域のネットワークづくりや社会資源の開発、介護保険事業計画への反映等が役割として求められている。そうした地域包括ケアシステムは必ずしもうまく機能していないのではないかという、現場のケアマネジャーからみた不満がある。実際高齢者の支援を行う中で、制度の問題や社会資源の不足を肌で感じ、こんな資源があればと多くのケアマネジャーは感じている。現場のケアマネジャーからボールを投げても、地域ケア会議で検討され、それが地域の政策的な課題となり、地域づくりにつながっていくというシステムは残念ながら機能していないのである。むしろ保険者や行政はこうした地域からの声に対して冷淡な対応が多いと感じている。

地域包括ケアが提唱される以前、こうした地域づくりの活動は地域福祉と言われ、主に社会福祉協議会が中心となり全国で様々な取り組みが行われてきた。私自身も一時「地域福祉活動計画づくり」「小地域福祉活動」といった取り組みに参加してきた。こうした地域福祉活動が成果を上げたという地域もあったようであるが、私の知る範囲では、住民主体の地域活動で大きく変貌したという地域の姿を見ることはできない。今や社会福祉協議会が取り組んできた地域福祉は一体どこに行ったのであろうか。

地域包括支援センターも行政組織の一端である。日本の地方行政は国や県の方針をどのように具体化し補助金を獲得するかには長けていても、こうしたボトムアップの方式になじめないようである。問題の深刻さはこうした地域福祉活動の取り組み経緯からつながる、地域と地方行政の在り方に帰着するところが大きいように考えている。

主任介護支援専門員に目を向けてみる。主任介護支援専門員はその役割として、介護支援専門員の人材育成と同時に個々のケースから見えてくる問題を普遍化し、地域全体の視点で社会資源の不足や改善策を提案する役割を持っているといわれている。しかしこうした地域づくりという課題に関して、厚生労働省令和6年6月24日「ケアマネジメントに係る諸課題に関する検討会」資料の中で次のような調査が紹介されている。「居宅介護支援事業所の主任ケアマネジャーに、特に期待する役割と実際に果たしている役割」という調査の中の「地域の関係機関とのネットワークの構築 社会資源の開発」という項目について「期待する役割 82.1%」に対し「実際に果たしている役割 36.1%」となっている。特に居宅介護支援事業所に配置された主任介護支援専門員はこうした期待に応えられていないのが現状である。こうした地域づくりにつなげていく地域包括ケアステムがうまく機能していないことが、現場のケアマネジャーの地域への視点を一層不透明なものにしている。

現場のケアマネジャーが地域という視点を持ち、繋げていくという活動が必ずしもうまくいっていない原因について、私なりに考察してみた。しかし、本来ケアマネジメントが地域の中で必要な資源を調達し、利用者のニーズを解決していくというケアマネジメントの基本からすれば、問題はそうした課題をどのように解決していくかということが求められているのである。ここでは最後に、私なりの意見を述べてみたい。ただし、現場の居宅介護支援事業所のケアマネジャーのとりあえず努力可能な範囲についての話となる。

ア、ともすれば介護支援専門員は介護保険の中での仕事に終始する傾向は強い。介護保険の居宅介護支援の限界を知ったうえで、ケアマネジメントの基本的な原則等に立ち返った活動を意識することが大切ではないかと考えている。

イ、アセスメントの問題としては、ICFの環境因子に関するアセスメントを確実に行うことが必要であろう。この点では厚労省が示した「課題分析標準項目」には入っていないものであり、事業所として独自のアセスメントシートの工夫が必要だと考える。

ウ、地域でのつなぐ活動に関して、社会福祉士出身のケアマネジャーは別として、ケアマネジャーはこうした地域での活動に必要な教育を受けていないという現状を考えれば、コミュニティソーシャルワークに関する研修は必須であると考えている。

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