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ケアマネのつぶやき

ケアマネジメントと地域(1)

―その1―

 もともとケアマネジメントが登場したのは、施設や病院に入所しケアを受けていた人達を、地域で暮らしながら生活できるようにするために、サービスをパッケージ化し届ける必要性からであり、そのための支援の手法として生まれたものである。ただし当時はケースマネジメントと呼ばれていたのであるが。したがって、ケアマネジメントと地域との関係は当初から不可分のものとして考えられてきた。

今日、地域包括ケアシステムの構築が叫ばれて久しい。その中でケアマネジメントに求められる役割も大きいと期待されている。同時に、ケアマネジメントは今や日本の高齢者や障碍者のケアの場面でなくてはならない支援の方法としてその経験を積み上げてきたし、その実践者としてのケアマネジャーは高齢者介護の現場で頼りになるケアの一員として、その存在を認識される存在となっている。そうした今改めてケアマネジメントと地域という問題について、特に居宅介護支援事業所で働くケアマネジャーの立場からこの問題を考えてみたい。

 ケアマネジメントにとって地域とは、個々の利用者のニーズを解決していくためのインフォ-マルな資源を求めるところである。特にストレングスモデルの考えでは、「地域は社会資源の宝庫」として重視されている。また、ケアマネジメント実践を通して、地域に新たな社会資源を開発し、住み慣れた地域で暮らし続けられる地域づくりもケアマネジメントの重要な機能であるとされている。ケアマネジメントの機能という点からは、前者は調整機能と言われ、後者は開発機能と言われるものである。日本の介護保険制度の中では、主に在宅の高齢者の個別支援に係るのが居宅介護支援事業所のケアマネジャーであり、地域づくりに関するケアマネジメントは主に地域包括支援センターや主任介護支援専門員の担うものであるとされている。しかしながら、居宅介護支援事業所に働くケアマネジャーにも、個別の利用者支援を通して地域を視野に入れたケアマネジメント実践が求められる。しかし、こうした地域を視野に入れたケアマネジメントには必ずしも成功していないのではないかと考えている。そこにはどのような課題があるのかを考えてみる。

まず第一に、介護保険の枠組みの中で仕事する介護支援専門員の限界の問題がある。介護保険の中での介護支援専門員は、高齢者に介護保険給付の対象となるサービスを利用してもらうことにより初めて給付管理が発生する、給付管理を行うことによって介護支援専門員の報酬になるという現実がある。そこでは利用者のニーズの解決のためのサービスはまず介護保険給付の対象となるサービスが第一の選択肢とならざるを得ない。一人暮らし高齢者の見守りのため地域のボランティアを探すことや、高齢者に必要な資源を求めて、地域に分け入りインフォーマルなサービスを見つけようとする努力、これらはいわゆる給付管理につながらないという意味でタダ働きである。インフォーマルなサービスや地域に目を向けてと言われても、まず介護保険のサービスの提供を第一に考えるのが介護保険の中の介護支援専門員なのである。

次に二番目の問題は、アセスメントを行う上での問題があると考えている。例えば、軽度な介護認定の高齢者を支援する場合を考えてみよう。こうした高齢者は加齢や疾病のため生活の一部に支障が生じているが、これまで培ってきた地域の中でのネットワークや資源を利用して生活を維持している方々である。こうした生活の一部に支援の必要な方に対してケアマネジャーはそのニーズを解決すべく必要な訪問介護やデイサービス、さらに福祉用具等を提供するケアプランを作成する。その場合、その高齢者の地域の中でのネットワークや資源は多くは所与のものとしてみなし、その高齢者を取り巻く地域のアセスメントまで至らない場合が多いように感じる。

 ケアマネジャーが高齢者のアセスメントを行う場合、厚労省が示した「課題分析標準項目」に示された項目をもとにアセスメントを行う。令和6年7月4日付の「『介護サービス計画書の様式及び課題分析項目の提示について』の一部改正について」で示された項目の中で、地域に関する項目は「地域とのかかわり(参加意欲、現在の役割、参加している活動の内容等)」とされている。同時にこの一部改正の理由となった「適切なケアマネジメント手法」によれば611項目のアセスメント項目が示されている中で、地域に関するアセスメント項目は「43、本人取り巻く支援体制の整備」の中で、インフォーマルサポートの支援の有無等数項目が示されている。これら厚労省が示したアセスメント項目から読み解くと、地域に関する関心は極めて薄いと感じるのは私だけであろうか。地域に関するアセスメントがなければ自ずと地域を視野に入れたケアマネジメントも限られたものになるのではないか。           (つづく)

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